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エンジンオイルの交換方法


エンジンオイルの交換方法についてここではご説明いたします。

とは言っても、一度もジャッキを使用した事が無い人にはあまりオススメしません。

クルマを上げる事は誰でも簡単に行えますが、エンジンオイルの交換をするためには一般的にクルマの下に
潜り込む必要があります。(必要が無いクルマもあります)

クルマのジャッキアップの方法については別途ご説明していますが、本来は実車をもとに説明
しなければ事故を起こしてしまう可能性があります。

クルマの下に潜っている最中にジャッキが外れ、クルマの下敷きになった!

なんて事になると大惨事となります。

もちろん油断をせずにちゃんとジャッキアップすれば、ジャッキが外れることはまずありえません。
外部的に力が加わらない限りは外れる事は無いです。
(ここで言う外部的というのは他車に追突されたり大地震が起きたりという事です)

この可能性はゼロではありませんので、もしこのような事態になったとしても安全を確保できる
状態を作っておく必要があります。

それらを盛り込んで、エンジンオイルの交換方法を説明していく事にします。


エンジンオイルを抜き取る前に、1分程度でも良いのでエンジンを暖機しておきましょう。
エンジンオイルの粘度が下がり、抜き取り時間が短くなります。(暖機しすぎは火傷するので注意)
暖機が終了したら必ずエンジンを停止し、作業を始めます。

◆用意するもの◆(一例です)

廃油ポイ(エンジンオイル廃棄用) ⇒ホームセンターで手に入ります。

廃油ポイ

新しいエンジンオイル

新しいドレンワッシャ

・ドレンボルトを緩めるための工具(メガネレンチなど)

ジャッキリジッドラックうまとも言います)


それでは作業の開始です。


1.ボンネットを開け、フィラキャップを取り外します


フィラキャップ

念のためリンクを貼っておきます⇒ボンネットの開け方(新しいウインドウで開きます)

フィラキャップを取り外す事で、エンジンオイルの抜けが良くなります。


2.ジャッキアップ後、タイヤをクルマの下に入れる


ジャッキアップ後、タイヤをクルマの下へ!

クルマをジャッキアップする前に、タイヤのホイールナットを緩めておきます。

⇒これは、クルマの車重がかかっている状態のほうがホイールナットを緩めやすいからです。
⇒タイヤは左右どちらでも構いません。あくまでも安全確保が目的です。


ホイールナットを緩めたらジャッキアップしてください。

ジャッキアップ後、タイヤを取り外して写真のようにクルマの下へ入れます。


3.オイルパンの下に、開封した廃油ポイを置く。


エンジンオイル抜き取り準備

オイルパンはエンジンの最下部に位置しています。
ドレンボルトが付いていますので、オイルパンという部品を知らなくてもすぐに認識できます。
ドレンボルトはワッシャが挟まっているボルトなので、見ればすぐに認識できるはずです。

オイルパンへの外傷を防止するため、カバー類が付いている場合もありますが、エンジンオイル交換の
作業性向上の観点から、ドレンボルトは通常カバーで覆われていません。


ドレンボルトを緩めるとエンジンオイルは勢い良く出てきます。
それを見越して廃油ポイを置く位置を定めましょう。


4.メガネレンチ等でオイルパンに付いているドレンボルトを緩める


ドレンボルト

ドレンボルトは一度緩めれば手で簡単に回ります。


5.ドレンボルトを取り外す


エンジンオイル抜き取り

慣れてくればドレンボルトを下の廃油ポイに落とさずに取り外す事ができますが、失敗すれば
手を無駄に汚したり加熱したエンジンオイルで火傷する可能性がありますので、自信が無い方は
思い切ってドレンボルトを緩めきり、下の廃油ポイへ落としてしまいましょう。
あとで廃油ポイに落下したドレンボルトを取り出せば問題ありません。

当然ですが、ドレンボルトが外れた時点でエンジンオイルが勢い良く出てきます
エンジンオイルの落下点が廃油ポイからずれている場合は、急いで位置をずらしましょう。


6.エンジンオイルがほとんど出なくなるまで待つ


エンジンオイルが完全に出なくなるまで待っても良いのですが、かなりしつこく出てきます。
軽くポタポタとしか出なくなればもうOKと判断しても悪い影響はありません。


7.廃油ポイからドレンボルトを取り出す


ドレンボルトを取り出す

ドレンボルトをクルマの下で探すのが困難な場合は、オイルパンにキッチンペーバーなどをドレンボルトの
代わりに詰めておき、廃油ポイをクルマの下からクルマの外へ移動させてドレンボルトを探しましょう。


8.ドレンボルトに新しいドレンワッシャを取り付ける


新しいドレンワッシャ

ドレンワッシャは基本的に再利用禁止です。
ドレンワッシャは、金属を押しつぶす事でエンジンオイルが漏れてくるのを防ぐ役割をしているため、
一度使用したらほとんど押し潰れなくなっていますので役目を果たす事ができません。

ここはけちらずに新品に交換した方が無難です。

落下したドレンボルトにドレンワッシャが付いていない場合は、廃油ポイの中に落ちている場合がほとんどです。
それでも見当たらない場合は、オイルパンに付着していないか確認しておきましょう。

古いドレンワッシャが付着していることに気付かずにドレンボルトを取り付けてしまうと、エンジンオイル
漏れの原因となってしまいますので要注意です。

噂で聞いたのですが、作業量をケチる為にドレンワッシャを交換せずにオイル交換をする悪徳業者がいる
みたいですね。
交換時にどれだけワッシャを探しても見当たらない場合は、そういった可能性を否定できない事になります(怒)


9.オイルパンにドレンボルト(新しいドレンワッシャ付き)を取り付ける




キッチンペーパーをドレンボルトの代わりに詰めた場合はキッチンペーパーを取り外します。
しかし、キッチンペーパーを取り外した瞬間にエンジンオイルがチョロチョロと出てくる可能性が
あります
ので、取り外す前に新しいキッチンペーパーを下に添えながら外しましょう。
⇒廃油ポイを下に持ってくるのもOKですよ♪


まずはドレンボルトを手で締まる所まで締めこみます。


10.ドレンボルトを締め付ける

メガネレンチなどでドレンボルトを締め付けます。

⇒本来はトルクレンチと呼ばれる、ボルトの締め付け力を測る工具で締めるのが一番正しい締め方
ですが、プライベートで所有している方はなかなかいません。
持っている方はきっとこのページを参考にして作業しないで良いほどのスキルをお持ちのはずです(笑)
従いまして、ここではトルクレンチを使用した締め付け方は説明しません。

ボルトを締め付ける際、とにかく思いっきり締めていれば良いとお考えの方がいらっしゃるようですが、
それは大間違いです。
サスペンションなどの強い部品通しを締め付ける場合であれば簡単に部品が壊れませんが、今回の主役
であるオイルパンは非常に柔らかい部品です。
つまり、強く締め付けすぎるとオイルパン自体が壊れてしまう事があります…。(よく聞く事象です)

ドレンボルト&ワッシャは基本的にオイルを漏らさない事が一番の役目です。
ここを一番重視して締め付けましょう。

また、ドレンボルトは柔らかいドレンワッシャを挟んで締め付けるため、締め付けた感触が少々柔らかく感じます。
だからといって強く締めすぎてはいけません。

極論を言えば、「緩まなければ良い」のです。

ほどほどに締めましょうね。


11.ドレンボルト周辺をパーツクリーナーなどで清掃する


これは、エンジンオイルを注入後にエンジンオイル漏れが無いか確認しやすくするために行います。
交換後に漏れて付いた物なのか元々付いていた物なのかが確認できなければ困るからです。


12.廃油ポイをクルマの下から取り出し、ジャッキを降ろす


安全第一で作業をおこないましょう。
クルマの下に工具などの忘れ物がないかしっかりとチェックしましょうね。


13.新しいエンジンオイルを注入口から注ぎ込む


エンジンオイルを注ぎ込む

個々のクルマに合わせたエンジンオイルの規定量を入れましょう。
規定量が分からない場合は、「取扱説明書」や「メンテナンスノート」を参考にしましょう。

写真のような「じょうご」があれば、気を使うことなく簡単にエンジンオイルを注入する事ができます。


14.オイルレベルゲージでエンジンオイル量を確認する


教習所でも習う事ですが、思い出せない方・自信が無い方はこちらへどうぞ。

オイルレベルゲージの見方(新しいウインドウで開きます)

基本的に、エンジンオイルの入れすぎは抜き取る事が困難です。
規定量付近になれば、面倒でもオイルレベルゲージをこまめに確認しながら徐々にエンジンオイルを
注いでいきましょう。


15.オイルフィラキャップを取り付ける


フィラキャップ

これを取り付けないとエンジンは不調になります。
さらにエンジンオイルがエンジンルーム内に激しく飛び散ります(キャップ破損により若干経験済み…)
忘れないようにしましょうね。

また、ハンマーなどで強く叩いて締め付ける必要はありません。
オイルフィラキャップに亀裂が入り、エンジンの振動により気付かないうちに破損する事があります。
緩まないように手でギュ〜っと締めればOKです。(軽くコンコンと工具でたたく位なら大丈夫でしょう)


16.エンジンを始動する


エンジンを始動する前に、もう一度エンジンルーム内に忘れ物が無いか確認しましょう。
回転部分などに工具が巻き込まれると非常に危険です。
エンジンを早くかけたい衝動を抑え、ここは冷静に確認してください。

始動しても、いきなりエンジンを高回転まで回したり走り出すことは控えましょう。
まだ作業は完了していません。


17.暖機後エンジンを停止し、1分ほど待って再度オイルレベルゲージを確認する


これはエンジンオイルがエンジン内にしっかりと行き渡り、最終的に戻ってきたエンジンオイルが
規定量に達しているか確認する必要があるからです。
エンジンオイルが不足していれば補充しましょう。


18.全てがOKであれば作業完了です


以上でエンジンオイルの交換作業は終了です。

念のため、エンジンオイルが漏れていないかクルマの下側を覗いておきましょう。
不安であれば、もう一度クルマをジャッキアップして確認すると良いでしょう。

慣れてくれば10分ほどで作業が完了するようになります。




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関連リンク


ジャッキアップの方法

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参考書籍


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